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水沢万葉亭うどん茶屋群馬県/伊香保町
日本三大名物「水沢うどん」が食べられる伊香保温泉の名物店「万葉亭」

草津温泉と並ぶ群馬の名湯・伊香保温泉。その玄関口にあたる山中に、「水沢うどん」を提供する「うどん茶屋 水沢万葉亭」がある。「讃岐うどん」、「稲庭うどん」とともに「日本三大うどん」に数えられる水沢うどんの始まりは、「水澤寺」の門前にうどん店が集まってきたことから。現在も10数件のうどん店が立ち並び、多くの観光客が舌鼓を打っている。

なかでも「万葉亭」は、連日満席になるほどの人気店。水沢山から湧出する名水と良質の粉、天塩のみを用いて打たれるうどんは、ツルツルと流れるようなのどごしが特徴だ。透明感のあるシコシコの麺を引き立てるのは、土佐や九州産の削り節と日高昆布のダシをブレンドした華やかなつゆ。特製のかえしを加えてつけ汁に仕立て、冷水でしめたゆでたて麺をつけて食べる。こちらのうどんの特徴は、なんといってもボリュームが多いこと。もちろん天ぷらや一品料理メニューも豊富で、予算や好みに応じてさまざまに楽しめる。

忙しさがピークを迎えるのは、木々が美しく色づく秋。団体バスが次々と到着し、大満足で帰って行く。もちろん個人客用スペースも確保され、地元のファミリーの利用も多いという。またお土産処も併設されており、名物のうどんはもちろん、「湯の花まんじゅう」や「水沢とうふ あわ雪」など、手作りの味も大人気。伊香保温泉を訪れたら必ず寄りたい、ドライブインタイプの名物うどん店だ。


店内
外観
水沢うどん
オーナー 牧 敏弘 氏オーナー
牧 敏弘 氏

タニコーさんとのお付き合いは、けっこう古いんです。営業担当の八木さんとのつき合いも、13年くらいになりますね。「うどん茶屋 水沢万葉亭」を作るときに初めて会ったんですが、打ち合わせというよりは、「俺の言うとおりに作ってくれ」という感じでした(笑)。それまでいろいろなお店を経営してきた経験を活かして、この店に最適な厨房を考えたんです。

まず最優先したのは、人の動線。ゆで麺器からの動きや天ぷらが出しやすいかどうかなど、盛りつけまで効率よく動けるよう工夫しました。取り扱っているのがうどんですから、作り置きができないでしょう。お客様のほとんどが、大型観光バスでいらっしゃる一般団体客なので、一度に大量に作る必要がある。ピークシーズンの週末だと、450席が3回転、なんてこともあるんです。けれども茹でてから15分も20分もたっているうどんを、お客様に出すわけにはいかない。ですから素早く動ける厨房作りが、必要不可欠だったんです。

厨房内に設置したのは、うどんを茹でるそば釜が4釜と天ぷら用のフライヤー、ダシやつゆを作るガスレンジ、収納と盛り込みテーブルを兼ねた台、保温庫、冷蔵庫など。ひとつの釜で、一度に30人のうどんが茹でられます。ですから一度に120様分を作ることは可能なのですが、そこまで一気に茹でてしまうと、こんどは盛り込みが追いつかない。ですから釜がフル稼働することは、あまりないですね。けれども、足りないよりは多い方がいい。このぐらい余裕があるくらいで、ちょうどいいと思っています。それぞれの釜の横には、麺をしめるためのシンクを設置。そのうち二つはエントランスに置いて、ガラス越しに茹でている様子を、お客様に見てもらうようにしました。

洗い場は、調理場の奥のスペースに配置。とにかく一度にたくさんの皿を運ぶので、厨房そのものの広さだけでなく、入り口や廊下のスペースも広くとってあります。タニコーさんがきめ細かに対応してくれたおかげで、13年たっても使い勝手のよさはまったく変わりません。

2007年にオープンした「けやきウォーク前橋店」の厨房機器も、タニコーさんにお願いしました。こちらはショッピングモール内の店舗なので、厨房もとても狭い。けれどもタニコーさんはとても融通を利かせてくれるので、最善のレイアウトが組めたと思っています。実は現在、さらなる出店を計画中。長年の信頼関係がありますから、もちろんタニコーさんにお願いしようと思っています。安心して任せられるということは、やはり大きいですよね。

厨房
厨房
厨房
高崎営業所 係長 八木 誠高崎営業所 係長
八木 誠

通常の厨房作りで苦労するところは、やはり狭いスペースでどれだけ使い勝手のよいレイアウトができるかどうか。ところが「うどん茶屋 水沢万葉亭」さんの場合、その点はとてもスムーズにいきました。何しろ45坪ほどのスペースがありましたから、調理スペースも洗浄スペースもかなりゆったりと、余裕を持った配置になっています。

この店舗を手がけたのは平成7年なのですが、そのころ私は入社5年目。経験豊かな牧社長との厨房づくりは、とても勉強になりました。群馬の男は頑固で熱い方が多いのですが、その代わりいちど信頼してもらえると、とことん信用してくれる。社長はそれを地でいくような方なんです。考え方もはっきりしているので、厨房作りもブレることなく進めることができました。

私のこだわりは、お客様に満足して頂ける厨房に仕上げる事です。特にこだわった所は、デシャップ台で、数台のデシャップ台(※1)に1枚天板を乗せることにより、継ぎ目を無くしました。そうすると、清掃がしやすくなり、衛生面もアップできるんです。ぴったりとお皿が並べられるよう、お盆の大きさと照らし合わせながら天板の奥行きも調整しました。

実はこちらのお店、当初は250席だったんです。それでもキャパシティーが足りなくなって、翌年に460席に増やした。それでも厨房機器は、まったく追加していないんです。普通は増席しなくても、「あれが足りない」「これを追加したい」となるもの。このお店は、まったく逆なんですよ。それだけ余裕がある厨房がはじめから作れたのは、やはり社長の経験。これからも、いろいろと学ばせてもらいたいと思っています。

※1 デシャップ台:キッチンで作られた料理が一時的に置かれる台。この台で盛りつけ等をし、そこからフロアへ料理が運ばれる。

厨房
厨房
オーナーと担当者
タニコー株式会社 / 飲食店 / VOICE / うどん茶屋 水沢万葉亭

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