VOICE

NIRVANA
New York
インド料理東京都/六本木
NYセレブに愛された、“伝説”の店が東京で復活「ニルヴァーナ ニューヨーク」

ニューヨーク・マンハッタンで、多くのセレブに愛されたインド料理の名店・NIRVANA。2002年、惜しまれつつも33年の歴史に幕を閉じ、“伝説”となっていたこの店が、5年の歳月を経て東京ミッドタウンに「ニルヴァーナ ニューヨーク」としてリニューアルオープンを果たした。

今回の復活劇を仕掛けたのは、タイ料理、イタリアン、アメリカングリルなど、世界中から「本物の食」を日本に伝え、レストランシーンにインパクトを与え続けてる、マルハレストランシステムズ。記憶に新しいところでは、丸ビルの「マンゴツリー東京」、汐留シティセンターの「オレゴン バー&グリル」などの繁盛店も、同社経営のレストランだ。

檜町公園の緑を一望できる、東京ミッドタウンのガーデンテラス1Fにある店は、イタリアのニットブランド・ミッソーニのファブリックを使用したポップな内装、真っ赤なフードパネルが印象的なオープンキッチンなど、従来のインド料理店のイメージとは一線を画す、斬新な演出が随所に施されている。もちろん、料理に関しても、日本では今までほとんど提供されることのなかった、本格的なコースを用意するなど、かつてニューヨークのセレブたちを唸らせた、「本物のインド料理」を提供している。


オープンキッチン
テーブル
内装
シェフ 戸田 正則 氏シェフ
戸田 正則 氏

ニルヴァーナの厨房の特徴は、店の外からも見渡すことができるオープンなキッチンです。魅せるという視点から、レンジフードなどには真っ赤なアクリル装飾を施し、店を外から見たときには、そのカラーがお客さまに鮮烈な印象を与えます。私も、長年料理人として様々な厨房に入りましたが、ここまでお客さまにシズル感、ライブ感を与える厨房ははじめて。でも、正直なところ、そうした厨房コンセプトを全うするために、様々な制約が出てきたのも事実です。

丸ビル、カレッタ汐留など、大規模な商業施設への出店経験から、そうした店では、やはり経営上の判断から、厨房のスペースや設備への制約がありました。このニルヴァーナでも同様の制約があり、料理人としては、もう少しスペースが欲しかったと言うのが本音でした。そんな中でも、設計段階からタニコーさんには様々な提案を頂き、また、こちらも要望を出しながら十分に話し合いをさせてもらいました。

でも、いざオープンしてみると、これは「うれしい誤算」だったのですが、当初の予想をはるかに超えるお客さまにご来店頂いたことで、厨房は大混乱となってしまいました。私たちを一番悩ませたのは、食器や調理器具、また、食材をストックするための収納スペース。もともと収納が少ない上に、通常の店の厨房であれば、レンジフードなどに調理器具をかけたりということができるのですが、ニルヴァーナの厨房では、その部分に重要なデザイン要素である赤いアクリル板が張られているために、一切使用することができない。さらに、インド料理は、食材が多種多様で、豆類、粉類、香辛料など、店を円滑に運営するためのストックがかさばるということもあり、開店早々この収納の問題が前面に出てきてしまいました。

ただ、そうした緊急事態にも、タニコーさんがとてもすばやい対応をしてくれたことは救いでした。現在の厨房は、これも「怪我の功名」といえるかもしれませんが、天井が高いという利点を生かして、本来はデッドスペースになってしまう厨房上部に収納棚を設置したり、レンジフードで死角になった箇所や、お客様に見えないスペースを有効に使って小さな棚をしつらえたりと、スペース的な制約を逆手に取った、アイディアと工夫を凝らした独創的な厨房を作ることができたと思っています。

オープンキッチン
内装
内装
システム事業部 営業一課主任 松田 裕己システム事業部 営業一課主任
松田 裕己

近年、食の安心・安全に注目が集まる中で、厨房での調理風景をみせるという演出をする店が増えています。ニルヴァーナさまの厨房は、店の外から厨房がそっくりまるごと見えてしまうという、いわば究極のオープンキッチンですが、設計前のディスカッションでは、「キッチンの中をお客さまが歩く感覚」という言葉も出るくらい、ライブ感、インパクトにこだわった斬新なキッチンを希望されていました。

この店舗では、厨房自体も店の重要なデザインとして捉え、設計にあたったため、本来、厨房が持つべき機能に一定の制約が生まれていました。なかでも、収納は、お客さまから見える部分に、赤いアクリルパネルを張るなど、「魅せる」要素も意識したことで、一番犠牲になってしまった機能でした。

「とにかく収納がなくて立ち行かない-」。開店して間もなく、そんなシェフのご要望を頂き、早速、厨房の改造に着手しました。デザイン性を損なわせず、十分な収納スペースを作る。そのためには、お客さまの視界から見えない場所、つまり「死角」を探す必要がありました。そうして見つかったのが、通常ではデッドスペースなっている、冷蔵庫上のスペースやレンジフードの死角だったのです。

厨房は、使い始めてどんどん変わっていくもので、最初から完璧なものはありません。設計段階で完璧を期したつもりでも、実際に店がオープンすると、必ず改善するべき点、あらたに生まれるご要望というものがあるのです。タニコーは、机上だけの設計屋でも、設備を入れるだけの厨房機器メーカーでもありません。私は、今回のニルヴァーナさまの件同様にお客さまがご納得いただけるまでとことん付きあえる、どんな小さな不都合でも気軽に相談していただけるビジネスパートナーである、という意識を持って仕事にあたっています。

タニコーの厨房機器
タニコーの厨房機器
タニコーの厨房機器
タニコー株式会社 / 飲食店 / VOICE / ニルヴァーナ ニューヨーク

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